日本と台湾の文化が交差「台湾好包フェス2024」HICity夏祭2024レポート第2弾

#イベント#ワークショップ

2024年の8月、HANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)では1ヶ月間にわたって夏祭が開催されました。このお祭り期間で最も盛り上がりをみせたのが、8月23日(金)〜25日(日)の「台湾好包(ハオパオ)フェス」です。

好包(ハオパオ)という言葉に込めたのは、”好き”を、ぎゅっと”包みたい”という願い。テクノロジーやカルチャーが融合するHICityで、この3日間は台湾と日本の伝統文化がクロスオーバーしました。台湾フードやスイーツ、雑貨、さらにはトークショーや怪談まで。発見に満ちた3日間の様子をレポートします!

見て、食べて、遊んで。台湾の魅力を詰め込んだブース

フェス期間中にHICity2階のデッキ「イノベーションコリドー」を彩ったのは「旅する台湾マルシェ」。鮮やかな色彩が目を惹く台湾雑貨や、その場で味わえる台湾グルメ、夜市をイメージしたゲームなどが大集結しました。

台湾をはじめアジア旅行のツアーやチケットを取り扱うkkdayのブース。フェスに合わせてキャンペーンも実施し、ブース前には長蛇の列も。
台湾夜市をイメージしたパチンコゲーム。玉を打ち出して高得点を狙う伝統的な遊びに、子どもも大人も夢中に。
台湾専門の創作家・ライターの加賀ま波さんによる雑貨屋「想*創Taiwan」。自ら現地で買い付けた生地やテープによるポーチやバッグ、アクセサリーなどを販売した。
台湾の人気スイーツである豆花(トウファ)の専門店「浅草豆花大王」が出店。つるっと滑らかな味わいが夏にぴったり!
台湾人デザイナーOo!さんによる台湾雑貨ブランド「南国超級市場」。南風を感じるようなビビッドな色使いの雑貨がずらり。
台北にあるギャラリー・カフェからやってきた「台湾日和」。台湾人オーナーがセレクト&デザインしたグッズを販売した。台湾好きが唸る通なアイテムも多数。
台湾で100年を超える歴史を持つ老舗菓子店「連珍」(レンチン)が出店。
台湾でポピュラーな芋「タロ芋」を原料に使ったプリンやロールケーキなどのアジアスイーツが特に人気だ。
大田区在住の台湾人アーティスト・ちにゅりさんによる「まっちゃねこのおみせ」。ほのぼの可愛いオリジナルキャラまっちゃねこが大活躍。「台湾好包フェス」書き下ろしのポストカードも限定販売された。
台湾スイーツといえばマンゴーかき氷、という方も多いのでは? HICityのビアレストラン「HANEDA SKY BREWING」が販売したマンゴーかき氷は、あっさり爽やかな味わい。灼熱となったフェスのクールダウンにぴったり!
台湾で朝食としてメジャーな鹹豆漿(シェンドウジャン)をお家で楽しめる食品が、味の素のブランド「粥粥好日(カユカユコウジツ)」から登場。ヘルシーなのに満足感のある一杯に。フェスのお土産にもぴったりな一品に。
西荻窪にある本格台湾料理店「街角饅頭店 吉祥天」が出店。もっちりフワフワな生地で、高菜と豚の角煮を包み込んだ「角煮サンド」は絶品!
吉祥天のキッチンでは、とろ〜り煮込まれた角煮が空腹を誘う。
台湾ソーセージもメニューに並ぶ。日本のものとは異なり、砂糖や酒、醤油などでしっかりと味付けされているのが台湾ソーセージの特徴。
台湾ドリンク専門店「HAPPY LEMON」では、甘酸っぱく爽やかなドリンクをはじめ、台湾のお菓子や茶葉などを販売。現地のお菓子を食べれば、気分はすっかり台湾旅行。
日本未上陸の魯肉飯(ルーローハン)屋「五燈獎豬腳」(ウーデンジャン)が登場! 醤油や砂糖、数々のスパイスでじっくり煮込んだ甘めのお肉に、食欲が止まらない。
薬草をブレンドした日本茶などを販売する「伝統茶 tabel」では、暮らしに寄り添う飲み物を販売。
伝統的な食材を使ったお茶やおやつとともに、和やかな時間が流れる伝統茶 tabelブース。シュロを編みながらの、穏やかなお喋りに癒やされる。

旅のプロたちによるトークショーも開催

フェスでは旅の達人や、台湾旅行のプロフェッショナル、台湾文化に精通した方をお招きして、さまざまなトークショーを開催しました。伝統文化や食、魅力などそれぞれの観点で語られる台湾に、お客さんも真剣な表情で聞き入っているのが印象的でした。

台湾で親しまれているお茶にフォーカスした「台湾茶セミナー」には、世界10ヶ国に店舗を展開する台湾茶ドリンク専門店「HAPPY LEMON」の林太一さんが登壇。台湾茶の特徴や製造方法、おいしい飲み方をレクチャーし、その魅力を参加者に伝えました。

台湾ライターの加賀ま波さんは、台湾東部にフォーカスした旅の魅力を紹介した。観光ガイドブックには載らないようなニッチな情報がてんこ盛り!
弾丸トラベライターの門司紀子さんによる、台湾に行ったら網羅してほしいグルメ情報。門司さんの著書を片手に、メモを取る真剣な参加者も。
台湾を偏愛する編集者・ライターの松田義人さんは、台北以外の台湾について熱く語った。一般的な観光地以外の魅力や醍醐味を、玄人目線で解説する。
台湾を飛び出してアジアという広い視点で旅を語ったのは、作家の田所敦嗣さんと編集者の田中泰延さん。旅の原風景を綴った田所さんの著書「スローシャッター」の裏話が語られた。
トークショーの主会場となったZONE JにあるHICity Square Café/Barには、トークショーに登壇した方々の著書をはじめ、台湾に関連する書籍が販売された。

子どもも大人も楽しめる旅気分ワークショップ

台湾好包フェスの期間中には台湾の文化に触れるワークショップや、子どもも楽しめる工作など、体験型のイベントも多数開催されました。

「台湾レースで作る夏のカラフルブレスレット」のワークショップ。カラフルな色や模様のレースに「どれがいいかな?」と盛り上がる参加者たち。
オリジナルうちわを作るイベントも。好きな絵を写したり、イラストを描いたり、ひと夏の思い出づくりに。
オリジナルうちわを作るイベントも。好きな絵を写したり、イラストを描いたり、ひと夏の思い出づくりに。
まっちゃねこ”のオリジナルぬりえも登場した。真夏日の屋外とは一転、室内で涼みながらぬりえを楽しむ姿も。
台湾レースで作ったカラフルブレスレットの完成品。好きなレースを2種類組み合わせれば、世界にひとつだけのアクセサリーができあがる。
嬉しそうな表情を浮かべながら、オリジナル提灯を見せてくれた。櫓と甚平に手持ち提灯がぴったり! お祭り気分をたっぷり楽しんでね!

先端技術と伝統的な怪談で恐怖体験。ひんやり怪談ブースも登場

背筋がスッと寒くなるような怪談も夏の風物詩のひとつ。天候にも恵まれ大盛況の会場内でしたが、とある一角だけは常に不気味な静まり方をしていました。それが「ひんやり怪談BOX」です。

これは電話ボックス型の防音室に入り、ひとりぼっちで怪談を聞く次世代のおばけ屋敷で、取材班も体験してきました。

外の音が遮断され暗闇に佇むと、ひとり取り残されたような感覚に。どこからともなく冷気を感じながら、立体音響の怪談を聞くと……。ぜひ機会を見つけて体験してみてくださいね。ちなみに筆者は怪談BOXの体験後、しばらく暗闇が怖くなりました。

ひんやり怪談BOXは、最新のテクノロジーが詰め込まれた作品でもある。富士通ゼネラルが開発する冷却システム、ヤマハの防音室、そして怪談音響の専門レーベルKikizteがタッグを組み、最恐コンテンツを作り上げた。
ブースではKikizteがプロデュースする怪談音源も販売。令和の時代に敢えて“カセットテープへ怪談を収録する”という新しいコンテンツだ。恐ろしさとレトロポップを掛け合わせた独特の世界観が魅力。

さらに、怪談師の満茶乃さんを招いた「ひんやり夏の怪談会」も開催されました。会場の喧騒から少し離れたZONE L「アーティストビレッジ」で語られたのは、台湾の伝統的な怪談の数々です。

中には日本の怪談と似ている話や、台湾文化を感じられる話もあり、怖さと同時に興味深さを感じるシーンも。フェスで浮き足立った心がクールダウンしていくような、幻想的な時間が流れました。

犬が登場する怪談で、タイミング良く姿を現したのが、四足歩行のロボットSpotくん。犬のように歩いてくる姿に、「そうそう、丁度あのくらいの犬が……」というアドリブも。

こうして「台湾好包フェス」は大盛況で幕を閉じました。日本の伝統的な夏祭に台湾を掛け合わせることで、生まれたフェスの空間はどこか旅情さえ感じさせるものに。時折、空から聞こえてくる飛行機の音が、旅への欲求をかき立ててくるようでした。

さて、「夏祭」第3弾の記事では、お祭り期間中に開催された子ども向けワークショップの数々を振り返ります。子どもたちの笑顔が弾けた夏のひとときをレポートします。

INFORMATION

【HICity 夏祭 台湾好包フェス2024】

2024年8月23日(金)ー25日(日)
開催場所:HANEDA INNOVATION CITY
主催:台湾好包フェス2024実行委員会/羽田みらい開発株式会社
後援:大田区

公式サイト:台湾好包フェス2024

Instagram:@haopao_taiwan

X:@haopao_taiwan

text : Miyu Oshiro photo : Nozomu Ishikawa

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