Open-RMFの複数ロボット運行制御の事前技術検証

#ロボティクス
実施主体
株式会社日建設計​、株式会社ビルポ​、Panasonic Asia Pacific Pte. Ltd.、SolidSurface株式会社
実施期間
2025年8月〜2025年11月

HANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)において、Open-RMF(業務ロボットの群制御を実現する、マルチベンダー対応のオープンソースプラットフォーム)を活用した複数ロボットの運行制御に関する実証実験を実施しました。


本実証では複数のロボットを一元的に把握・管理できる仕組みの有効性を検証することを目的としており、株式会社日建設計の本社ビルで実施した「業務用の大型清掃・搬送ロボットと家庭用の小型清掃ロボットを同一施設内で同時に運用する実証実験に先立つ、事前の技術検証として位置づけられています。


背景にはオフィスビルや複合施設における人手不足という社会課題があり、それに伴いロボット活用が拡大・推進されています。
一方、現実の建物環境下では配送・清掃・案内など異なる役割を持つロボットが混在して運用されています。その結果、メーカーや管理方式が統一されておらず、各ロボットの現在位置や稼働時のステータスの確認、復旧を実施する際に、メーカーや機種固有のアプリケーションやプラットフォームから確認や指示を行う必要がでています。本来、業務効率化に寄与するはずのロボットが、かえって管理負荷を増大させてしまうという課題が顕在化しています。

本実証ではこうした実運用における課題を想定し、建物全体で複数のロボットを同時に運用する際に必要となる「業務ロボットの効率的な群管理手法」の考え方について技術的な検証を行いました。

また、清掃ロボットの活用においては、ロボットの使い分けによって導入コストを抑えつつ、効果的な清掃を実現できるという点も本実証の重要なポイントです。
・共用部のような広いエリア:高価だが「業務用の大型清掃ロボット」
・専用部のような小さなエリア:本来は家庭での利用が想定される安価な「小型清掃ロボット」

実施方法

実証は、HICity内の実際のフロア環境である区画の1階および2階を用いて実施しました。

■対象ロボット
・業務用中型清掃ロボット:2メーカー(2台)
・業務用運搬ロボット:1メーカー(1台)
・家庭用小型清掃ロボット:1メーカー(3台)

■主な検証シーン
・エレベーター前など、混雑が発生しやすい場所でのロボットエレベータの同時利用
・通路におけるロボット同士のすれ違い挙動
・通信が途切れた場合の状況把握
・非常時(火災を想定した状況)におけるOpen-RMFの対応

実際の建物運用において起こり得る場面を再現することを重視して検証を行いました。

成果と課題

■Open-RMFを用いた技術的成果
・異なる種類・管理方式のロボットを一つの画面で把握できることを確認。
→これにより、多台数のロボット混在環境においても、管理上の煩雑さ回避が見込める。

・経路上のポイントの排他制御により、エレベーターや通路などの共有空間におけるロボットの協調利用が可能であることを確認。
→これにより、エレベーター乗降待ちのロボットによる整列渋滞や、狭路におけるロボットのすれ違い困難・スタックの回避が見込める。

・導入前の短期間で、複数ロボットの統合管理が実現できる可能性を確認。
→オープンソースプラットフォームであるRMFを活用することにより、専用のプラットフォームを構築するなどのリードタイムが発生せず、群制御を前提としたロボット活用のスムーズな導入が見込める。

■検証を通じて明らかになった課題
・Open-RMFは経路の指示により交通管制を行うが、移動は各ロボットの自律移動によるため移動精度はロボット毎の性能に影響を受ける点。
・ロボットが通行するルートや待機位置の設定によって交通管制や移動の効率が異なるため、事前設計が重要である。

これらの結果から、既存のロボットを活かしながら後付けで統合管理を行うアプローチの有効性とともに、技術と運用設計を一体で検討する必要性が明らかになりました。

プロジェクトの遍歴

2025年8月~2025年11月

実証環境の整備からロボットの設定、設備(エレベータ)を利用した実証を行い、ロボット群管理の基礎検証を行いました。

基本情報
  • 開始年月日:2025年8月
  • 実施場所:HANEDA INNOVATION CITY(大田区羽田空港1丁目1-4)ゾーンD1階、2階
  • 実施会社・機関等:株式会社日建設計​、株式会社ビルポ​、Panasonic Asia Pacific Pte. Ltd.、SolidSurface株式会社
関連URL

株式会社日建設計本社ビルにおける実証実験リリース情報

■業務用大型ロボと家庭用小型ロボがオフィスビルで協働、日建設計がRMFを適用(ITmedia)https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2601/20/news039.html

■日建設計 ロボット管理システムの実証実験を実施(街を、ひもとく。ビル・土地の価値とリスクを探る記事メディア)
https://casamia.trust5.co.jp/blog/post_89532/

■人手不足解消へ 業務用と家庭用のロボット同時運用のデモンストレーション(TOKYO MX NEWS)
https://www.youtube.com/watch?si=8oN53QuDeDPPK7YK&v=OItT61aHibk&feature=youtu.be

Open-RMFについて
https://www.open-rmf.org/

小型清掃ロボット3台、中型清掃ロボット2台、運搬ロボット1台を利用し、異なる2業種・異なる4種メーカーのロボット計6台で実験を行いました。
運搬ロボットと中型清掃ロボットの移動先が同一の場合に、Open-RMFのレーン制御によりロボットが順番待ちをしている様子です。
Open-RMFから、施設設備連携を行う実証実験です。エレベータ連携機能と、レーン制御機能により、複数のロボットが競合せずに設備利用を行える事の確認を行いました。
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