Demonstration Experiment
Database
実証実験データベース

分野横断型のロボット統合管制システムによる複数台・複数種類ロボットのエレベータ連携を含む制御及びインシデント管理

#ロボティクス
実施主体
大田区、羽田みらい開発株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社日本総合研究所、株式会社ECTR、アジアクエスト株式会社、SolidSurface株式会社
実施期間
2022年4月~2023年3月、2023年6月~2024年3月、2024年7月~(現在進行形)

国土交通省が支援する令和4年度スマートシティ実装化支援事業(以下、令和4年度支援事業)に採択され、以降、HANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)で分野横断型のロボット統合管制システム(以下、R.O.C)の開発・実証実験の実績を積み上げてきました。

利用されるロボットの台数増加や多様化に伴い、より効率的で低コストなロボットの活用・管理を目指し、複数種類・複数台ロボットへのタスクの割り振りと、その一元的なインシデント管理機能を開発しました。これにより、ロボットを活用する運用主体の目線からのより深い知見が得られました。

実施方法
  • 令和4年度支援事業では、R.O.Cによる異業種ロボットの同時管制・HICity施設管理者による運用の実証実験を行いました。同時に、各種ロボットのインシデントを一元管理するインシデント対応体制構築の検証も実施しました。
  • 異業種ロボットの同時管制実証では、清掃・警備ロボットは実証期間中の指定された時間に自動で巡回するよう設定され、HICityの施設管理者はモニタリングと異常時の復帰対応を行いました。配送サービスについては異常時の一時復帰対応を行いました。
  • インシデント対応体制構築の検証では、ロボットの異常が発生した際にR.O.C内のインシデント対応システムから通知を受け、施設管理者による一時対応の実施や、復帰しない場合の担当者、専門業者へのエスカレーションなど機能を実装しました。
    また、令和4年度補正支援事業では、R.O.Cの機能を拡張し、ロボットフードデリバリーサービス実証とインシデント対応体制構築の検証を実施しました。
成果と課題
  • 成果:複数種類・複数台ロボットの同時管制機能、タスク管理機能(配膳)、可視化を含めたインシデント対応機能を実装したR.O.Cを活用し、以下の3点を確認できました。
    ①R.O.Cを中核としたシステム連携仕様によるI/Fの共通化で、ロボット事業者の新規参入やエレベータ連携等、外部システム連携へのコストの低減が見込まれた。
    ②R.O.Cのタスク管理機能を活用したサービサーによるロボットフードデリバリーサービスの提供。
    ③R.O.Cのインシデント対応システムにより、ロボットの専門事業者以外(実証実験では、HICityの施設管理者)の現場駆け付け及び一次対応が行えること。
    本システムの導入により一次対応者から専門事業者側への要請の経過共有や、位置情報の可視化による駆けつけ時間の短縮などインシデント状況をより分かりやすくなりました。

  • 課題:ロボットのインシデントは複数の要因を含んでおり、ロボットメーカ、設備管理者、ロボット運用者、など複数の運用主体が見て状況を確認します。各運用主体がどういった対応を行ったかという状況管理を残す機能や、システム的に復帰したかどうかを検知し知らせる可視化機能が必要とされています。
プロジェクトの遍歴

2022年6月~2023年3月(令和4年度支援事業)

『異業種、かつ複数台のロボットを同時管制可能なシステムを構築』
ロボットの導入や運用コスト面での効率化、ロボットの円滑で安全な活用という点で異業種、かつ複数ロボットのインシデント対応を含めた一元管理が必要であるという思想から、R.O.Cを開発しました。


2023年1月16日~2023年1月27日

『R.O.Cによる清掃、警備、配送ロボットの同時管制、及びインシデント対応体制構築の検証』
HICityの施設管理者が、通常業務と並行した清掃・警備のロボットの運用、R.O.Cで管理されているロボットの異常時の一時対応の実証を実施しました。


2023年6月~2024年3月(令和4年度補正支援事業)

『R.O.Cのタスク管理・インシデント発生場所の可視化機能を拡張』
当初のR.O.Cはロボットの制御機能とインシデント通知機能までを有していました。ここで、サービス運用者がタスクの詳細を確認できる機能、ロボットやインシデントの可視化機能を拡張しました。


2023年12月6日~2023年12月22日、2024年1月12日、18日、19日(令和4年度補正支援事業)

『R.O.Cを活用した、ロボットフードデリバリーサービスとインシデント対応に関する実証実験』
R.O.Cに新たに追加された配膳タスク管理機能を活用し、「サービサー」がロボットフードデリバリーサービスの提供実証を行いました。また、ロボットのインシデント対応では、主体の責任分解点を明確にした上でのインシデント対応体制構築の検証も実施しました。円滑な実運用にあたっては、システムの機能面と運用体制構築は両輪で取り組むべき課題です。


2024年7月~現在(2025年2月・予定)

『HICityのoffice従業員限定、フードデリバリーサービス提供を開始』
R.O.Cを活用し、HICity内で有償でのサービス提供を行っています。

基本情報
  • 事業名:スマートシティ実装化支援事業
  • 実施団体名称:羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会
  • 実施場所:羽田イノベーションシティ
関連URL

https://www.kajima.co.jp/news/press/202305/11a1-j.htm


スマートシティ実装化支援事業

https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/toshi_tosiko_tk_000051.html

https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/content/001601032.pdf

https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/content/001601028.pdf

https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/content/001741521.pdf

https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/content/001741520.pdf

R.O.Cを活用した実証実験の全体の連携イメージです。ロボットを制御するシステムの上位にR.O.Cが存在し、タスクの管理やインシデント管理を行います。
発生したインシデントの一覧画面。ソート表示なども可能です。現状未確認、確認中、対応済み等のステータスは手動での割り振り対応です。
インシデント通知の詳細を開いた際に表示される一次対応方法や可視化画面の様子です。一次対応の説明のほか、専門事業者用にデータログの確認も可能です。
インシデントが発生した際の位置情報が可視化されている様子です。3Dモデル上にインシデントが発生した場所がプロットされ、ソート表示なども可能です。
PAGE TOP