アウトドアスパイスほりにし×地域食材のレシピコンテスト「ご当地ほりにし甲子園 2024」

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2024 年11⽉1⽇(⾦)ー3⽇(⽇)の3⽇間、HANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)で開催された、グランドオープン1周年記念イベント「あわい – awai 2024 -」。その中でも大きく注目を集めたのが、今回が初開催となる「ご当地ほりにし甲子園 2024」です。24チームが出場し、白熱したレシピコンテストと参加自治体のPRブースの様子をお届けします。

イベント全体のレポートはこちらをご覧ください。

「もっと地域を盛り上げたい」という思いから始まったご当地ほりにし

アウトドアスパイスほりにし」は、20種類以上のスパイスや調味料をブレンドした万能スパイス。和歌山県のアウトドアショップ「Orange」の堀西氏が開発し、どんな食材でも一振りするだけでおいしくなるとキャンパーの間で話題となって、2019年の発売以来、累計出荷本数が850万本を超える大ヒット商品となっています(2025年1月現在)。

そのほりにしに、地域を象徴するラベルデザインを施した「ご当地ほりにし」があるのはご存じでしょうか。現在は43都道府県で展開されており、その地域の販売店に行かなければ手に入れることができないのだそう。連動して、その土地ならではの料理や食材とほりにしを掛け合わせたご当地レシピの紹介なども行なっています。

ご当地ほりにし甲子園」は「ご当地ほりにし」でつながる全国の自治体が一堂に会するイベント。PRブースで、その地域ならではの特産品や観光情報、アウトドア情報を提供するほか、ご当地ほりにしレシピNo.1を決めるレシピコンテストを開催。24自治体が予選に参加し、決勝進出、さらには優勝を目指して闘います。

ご当地ほりにし実行委員会の田川浩徳さん(株式会社パシュート)。

ご当地ほりにし実行委員会の田川浩徳さん(株式会社パシュート)は、仕事で地域活性化事業に携わることがあり、「もっと地域を盛り上げたい」という思いをもっていました。同社はもともとキャンプの情報を発信するウェブメディア「LANTERN」の運営を手がけており、ほりにしのこともよく知っていたのだそう。そこで思いついたのが「ご当地ほりにし」でした。

田川さん「我々が関わる地方自治体に『PRできる強みって何ですか?』と聞くと、だいたい『何もない』って言われるんです。でも本当は、何もないんじゃなくてすばらしい自然があるんですよね。だから地域活性化とキャンプやアウトドアはすごく相性がいいと思っていました。かつ、持続しやすくて、ライトに始められて、収益性のあるものであれば取り入れやすいし、工夫次第でそのまちを盛り上げることができる。そこから、ほりにしのご当地ラベルを思いつきました。地域限定での販売にすれば、値段も手頃で小さくて、お土産品にぴったり。ほりにしの地名度を利用して、それに合う地域食材やレシピを発信していけば、そこから新たな展開まで生まれるかもしれないと思ったんです」

この提案にはすぐに多くの反響が。わずか3年で9割の都道府県がエントリーするまでになりました。加えて田川さんは、プロジェクトを立ち上げた当初から「それぞれの地域の良さをいろいろな方に知っていただく場をつくりたい」と、甲子園イベントの構想をもっていたのだそう。コロナ禍が明け、その実現に向けて動き出したところ、知人からHICityを紹介されました。

田川さん「2024年にHICityで開催されたイベントのことを伺って。羽田にこんな街があることを知らなかったのですが、すごく親和性を感じて繋いでいただいたんです。そうしたらぜひ一緒にやりましょうと言っていただいて。僕らとしても、最初から独立して大きなイベントをやるのはリスクが高かった。できれば実績があって、ある程度来場数の見込みもあるイベントと連動したいと考えていました。今回は、まさにベストな形で実施させていただくことができて、本当にありがたかったです」

田川さんは、日本の玄関口・羽田にあるHICityに全国各地から自治体が集まり情報発信する場としてのポテンシャルを感じたと言います。

田川さん「ご当地ほりにし甲子園に限らず、ここに来れば地域の情報が手に入る。羽田に降りたらまずここに立ち寄って情報を得る、みたいな拠点にもなりうるのではないかと思いました」

HICityのイノベーションコリドーに設置された、ご当地ほりにし甲子園本部には、普段は現地でしか入手できない全国各地の「ご当地ほりにし」がずらり。ちなみに、ご当地ほりにしは各都道府県ごとに一つだけなのだそう。どのラベルのほりにしを買うか迷ってしまう。
ご当地ほりにし自治体のPRブースは、ライフスタイルマルシェと並んで展開。
各地域の特産品がズラリ。もちろん購入することもできる。
ほりにしを開発したアウトドアショップOrangeのブースでは、定番のほりにしのほか、さまざまなアイテムが購入できた。
マヨネーズにほりにしを混ぜ込んだ「ホリネーズ」は、どんな料理にも合う人気の商品。
コンテスト会場には、ほりにしをリスペクトしているというOutdoor Operaの試食キッチンカーが。おいしいガーリックチャーハンができると人気の調味料「G飯の素」や新商品「Tスープの素」がイベント価格で購入できた。
たこ家道頓堀くくるがほりにしとコラボ!イベント限定「ほりにし味」のたこ焼きを販売。あつあつふわふわでスパイシーなたこ焼きが楽しめた。

田川さん「これがスタートラインで、各自治体が積極的にPRを行なうきっかけになっていってほしいんですね。イベントに参加することで、地域をPRしようという意識を強くもっていただけるようになるのではないかなと。そのための工夫として、半年前からウェブサイトを立ち上げ、レシピづくりに関する情報発信をお願いしてきました。」

例えば「情報発信度」や「熱意」などが、コンテストの評価点になっているのが通常のレシピコンテストと違うところ。それはご当地ほりにしの目的が、売り上げではなく地域活性化にあるからです。

田川さん「ご当地ほりにし甲子園は、単発で盛り上がれればいいイベントだとは思っていません。みなさんが持続的にPRしていった先にあるイベントなんです」

 


雨にも負けず、白熱した予選大会

11月2日は、地域食材とほりにしを掛け合わせたレシピで優勝を目指す「ご当地ほりにし甲子園・レシピコンテスト」の予選1日目。4ブロックのうちA〜Cブロックの予選が開かれました。決勝に進めるのは各ブロック1位のチームと、敗者復活で全ブロック2位の中から最高得点を獲得した1チームの計5チーム。「味」「オリジナリティ」「再現しやすさ」「熱意」の4項目と、大会前日までの「情報発信度」「地域連携度」といった取り組みを加算して順位を決めます。

会場は、HICityのもっとも奥側に位置するアーティストビレッジ。あいにくの雨ということで「お客さんが一人も来ないのでは」と主催者は心配していたそうですが、各地域の応援団が集まっていて、なかなかの盛況です。

最初に各チームの紹介があり、その後、クッキングタイムに突入。制限時間は30分。何度もシミュレーションしたのでしょうか。どのチームも手際よく調理を進めていきます。ブースは自由に覗くことができ、司会や審査員との会話から、どんな地域食材を利用していて、どんな料理をつくっているかが、だんだんと明らかになっていきます。手早く完成させるチームもいれば、ギリギリでなんとか完成させるチームまでさまざま。往年のテレビ番組「料理の鉄人」を彷彿とさせる真剣勝負に、見ているほうも思わず拳に力が入りました。

お揃いのTシャツやはっぴ、エプロンなど、ユニフォームも各チームで違う。ちょっとしたことでその地域の個性が感じられて面白い。
どのチームの料理も本格的でおいしそうなものばかり。観客としては見ているだけでお腹が空いてしまうほどだった。
岩手県二戸町は、国産漆の産地として有名なまち。料理だけでなく、料理を盛る漆器も地元の漆を使ったものを使用。
予選Bブロックの料理の数々。もちろんどれもほりにしを使用している。「鰻も牛も\どっちも/イエェェェーイ丼!」(鹿児島県鹿屋市)

「若狭小鯛のスパイス衣揚げ」(福井県高浜町)
「ほり味噌馬カルビ丼」(福島県会津坂下町)
「こころやさしい竜のハンバーガー」(滋賀県竜王町)
試食をする審査員のみなさん。
1位発表の瞬間、あちこちで悲鳴や歓声が上がった。

 


真剣勝負! さらなる創意工夫で優勝を目指す

11月3日、天気も回復して暖かな1日。午前中にDブロック予選が開催され、決勝に進出する5チームが決定しました。

Aブロック「万能ほりにしと行方食材のリゾットほりにしスープと共に」(茨城県行方市)
Bブロック「こころやさしい竜のハンバーガー」(滋賀県竜王町)
Cブロック「尾瀬豚と尾瀬舞茸の味噌バターうどん」(群馬県片品村)
Dブロック「大島の恵みたっぷりクリームパスタ」(東京都大島町)
敗者復活「豚バラりんごフライ」(長野県安曇野市)

決勝スタート!

そして午後、どのチームも優勝目指して、予選からさらにひと工夫したレシピで勝負を挑みます。

茨城県行方市は、予選とはメニューを変えて、まぜそばを提供。予選でも使ったれんこんや白魚に加え、地元特産のサツマイモ「行方かんしょ」を使用しました。

滋賀県竜王町は、調理終了5分前に、Bブロックで闘った鹿児島県鹿屋市のみなさんがハンバーガーの隠し味となるジェラードを届けてくれるというユニークなパフォーマンスを展開。「甲子園を通じて横のつながりができたら」という主催者の思いどおり、すっかり仲良くなっていたのが印象的でした。

雨だった前日の予選は温かいうどんを出した群馬県片品村は、快晴の決勝は冷やしうどんで勝負。東京都大島町は、クリームパスタにさらに地元産のきくらげやカリカリベーコンを投入。長野県安曇野市は、りんごの品種を増やして食感や味の違いをさらに楽しんでもらえるようにアレンジ。みなさんの本気度がビシビシと伝わってきました。

24チームの中から決勝に進出した5チームは、みな表情が晴れやか!
具材たっぷりの東京都大島町の「大島の恵みたっぷりクリームパスタ」
特産のサツマイモ「行方かんしょ」がこれでもかと盛られた、茨城県行方市の「万能ほりにしと行方かんしょのまぜそば ほりにしスープと共に」は予選とはまったく違うメニュー。
冷やしうどんにしただけでなく、味付けも変えた群馬県片品村の「尾瀬豚と尾瀬舞茸と尾瀬高原大根のおろし冷かけうどん」
味の想像がまったくつかなかった長野県安曇野市の「豚バラりんごフライ」
審査員は、ほりにしを開発したOrangeの堀西晃弘さん、BBQ芸人・たけだバーベキューさん、macaroni料理家・矢部麻美さん、Outdoor Opera代表・松倉広平さんの4名。
実食後、真剣に点数をつけている審査員のみなさん。どれもおいしくて甲乙つけ難いと悩んでいた。

いよいよ結果発表です。会場は出場者と応援団で埋まっており、緊張が走ります。

まず「ご当地ほりにし賞」は東京都大島町、「ベストパフォーマンス賞」は兵庫県多可町が受賞。兵庫県多可町は決勝には進めなかったものの、PRブースで特産品の播州鶏卵とニンニクを無料配布するパフォーマンスで会場を沸かせ、受賞となりました。このような観点でも加点がつくのもご当地ほりにし甲子園の面白いところ。

そして、優勝チームの発表です。会場中が固唾を呑んで見守る中、呼ばれたのは「滋賀県竜王町」でした。発表された瞬間、大きな拍手と歓声が沸き起こり、竜王町チームのメンバーが思わず涙する場面も。滋賀牛のパティにジェラード、さらにほりにしを合わせるという、一風変わったハンバーガーでしたが「とにかくおいしかった」と、どの審査員も絶賛でした。
優勝した竜王町には、トロフィーのほか、ご当地ほりにしのオリジナルフレーバーの最優先開発権、ほりにし監修のお土産品の開発権、副賞として、食のウェブメディア「macaroni」のインスタグラムに優勝レシピの動画を掲載、アウトドアショップOrangeコクヨがコラボした非売品のスパイスケースが贈られました。

受賞した東京都大島村と兵庫県多可町には、ご当地ほりにしオリジナルフレーバーの開発権、もしくはほりにし監修お土産品の開発権のいずれか好きなほうが贈呈されるとのこと。
副賞として贈呈された非売品のスパイスケース。ほりにしを入れるのにぴったり!
前日は、予選敗退して落ち込んでいた多可町のみなさん。復活受賞にガッツポーズ!
竜王町の優勝を、ともに戦ったBブロックの他チームのみなさんも喜んでいた。
初代チャンピオンに輝いた滋賀県竜王町のみなさんと審査員のみなさん、司会の貫太郎さんとで記念撮影。おめでとうございます!

ご当地ほりにし実行委員会の田川さんが語っていたとおり、「ご当地ほりにし甲子園」は単なるレシピコンテストではなく、地域食材のポテンシャルに気づき、仲間と力を合わせて地域をPRしていくきっかけの場となっていました。一人ひとりの真剣かつ楽しそうな表情が、その充実したプロセスを物語っていたように思います。日本の玄関口・羽田に、全国の自治体が熱意をもって集まる様子はまさに「甲子園」そのもの。次こそはとリベンジに燃える自治体もいることでしょう。第二回の開催も楽しみです。

INFORMATION

【あわい - awai 2024 -】
開催日:2024年11月1日(金)ー3日(日)
開催場所:HANEDA INNOVATION CITY
主催:羽田みらい開発株式会社
企画:鹿島建設株式会社
後援:大田区

あわい - awai 2024 –
https://hic-awai.com

ご当地ほりにし甲子園 2024
https://koshien.gotouchi-horinishi.jp

text : Yuki Hirakawa photo : Takahisa Yamashita , Naoto Nobuyoshi, Nozomu Ishikawa

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