Demonstration Experiment
Database
実証実験データベース

複数配送・複数店舗巡回システムを導入したロボットフードデリバリーサービス実証

#ロボティクス
実施主体
大田区、羽田みらい開発株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社日本総合研究所、アジアクエスト株式会社、SolidSurface株式会社
実施期間
2022年6月~3月、2023年6月~2024年3月、2024年7月~(現在進行形)

国土交通省が支援する令和4年度補正 スマートシティ実装化支援事業(以下、令和4年度補正支援事業)に採択され、2023年度に買い回り機能を備えたフードデリバリーサービス実証実験を、HANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)で実施し、その後、HICityのオフィス従業員限定でサービスを提供しています。HICityでは「先端産業」としてロボティクスにも力を入れておりますが、ロボットの統合管制、ロボットフードデリバリのサービス提供業者を体制化する等、今後社会でロボットを活用する際に必要であろう要素を盛り込んだ実フィールドでの実証実験となっています。

実施方法
  • 令和4年度補正支援事業でのサービス実証、及び2024年7月以降の実証実験で平日の日中時間帯に施設内飲食店舗に参画していただき、施設内従業員様に向けたサービス提供を実施しています。
  • 協力店舗:HICity Square Café/Bar、HANEDA SKY BREWING、とんかつ檍(2024年7月~)
  • 複数店舗買い回り機能(現状最大2店舗)と、同一方面同時配送(同一配送時間で同一方面配送の場合1台のロボットがまとめて配送)機能を備えています。
  • 配達場所:ゾーンD 1~3階、ゾーンK1~3階、5階
  • 注文方法は当日中の予約制です。
  • 3台の複数ベンダーの提供するロボットを同時に管制・施設内のエレベーターとシステム連携することで縦移動を実現しています。
成果と課題
  • 成果:これまで、スマートシティ実装化支援事業ではフードデリバリーをテーマとした実証実験は令和3年度から実施されてきましたが、令和4年度補正支援事業で初めて注文者に対して有償でのサービス実証を展開しました。注文者へのアンケートでは、改善への意見はありつつも、サービス利用者の全ての人が利用意向ありと回答しています。また、システムの脆弱性試験を実施し、セキュリティ面への対策も完了しました。

  • 課題:現在は、人込みやエレベーター乗降時等における安全性を考慮して、ロボットの後ろにオペレーターがついて稼働しています。ロボット自体の性能向上やロボットフレンドリーな施設の構造、さらにはインシデント発生時の自動復帰方法の検討を今後も進めることで、人間を介さない「ロボットフードデリバリー」を育てていく必要があります。また、ビジネスモデルの観点においても、システムやロボットの維持費、サービス提供に係る人件費をカバーしながらどのようにして自走可能なサービスモデルとするか、どこに価値を提供していけるかは引き続き検討していきます。
プロジェクトの遍歴

2021年6月~2022年3月

『本取り組みの前身となるフードデリバリー実証実験を実施』
令和3年度のスマートシティ実装化支援事業において、HICity内でフードデリバリー実証を実施しました。
1台のロボットにより協力店舗と配膳先を往復するシンプルな実証からのスタートでした。


2022年6月~2023年3月

『複数台複数種類ロボットを用い、エレベータ連携による縦移動に対応したフードデリバリー実証実験を実施』

令和3年度補正・令和4年度のスマートシティ実装化支援事業において、フードデリバリーに同時に複数台、また複数種類のロボットを同時に管制するシステムを構築し、実証実験を行いました。
併せて、デリバリーサービスのオフィス利用者のニーズに応えるため、HICity内の一部の株式会社三菱電機ビルソリューションズ製・東芝エレベータ株式会社製のエレベータに対してロボットのエレベータ連携に対応しロボットがエレベータに乗降する機能が完成しました。


2023年6月~2024年3月

『複数店舗買い回り機能と、同一方面同時配送機能を備えたフードデリバリー実証を実施』

令和4年度補正スマートシティ実装化支援事業の中で配送効率の向上の為、複数のオーダーを同時に別々の配膳先へ運ぶ機能の開発を行い、同様に2024年12月から1月の内で有償提供のフードデリバリーサビス実証を実施しました。


2024年1月~2024年3月

『フードデリバリーサービスに関するシステムの脆弱性診断を完了』

フードデリバリーの注文用・受付用ウェブアプリ、およびロボットの統合管制システムの脆弱性診断を行いました。


2024年7月~現在(2025年2月 予定)

『HICityのoffice従業員限定、フードデリバリーサービス提供を開始』

HICity内で有償でのサービス提供を行っています。

基本情報
  • 事業名:スマートシティ実装化支援事業
  • 実施団体名称:羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会
  • 実施場所:羽田イノベーションシティ
関連URL

スマートシティ実装化支援事業
報告書一覧掲載ページ
令和4年度補正の報告書本文
令和4年度補正の取組(詳細)

ロボットフードデリバリーに使用している自律移動ロボット(2種)。ロボット側に搭載されているセンサーによって障害物を回避しながら管制システムからの指令に従って走行します。
ロボット単体でコリドーを含む複数の棟を走行するには、ロボット側の精度の向上や異常時の自動復帰、施設側のロボットフレンドリーな構造等、様々な観点からの検討が求められます。
ゾーンKのエレベータで、Ville-feuille(三菱電機ビルソリューションズ株式会社、東京都千代田区)と連携し、ロボットがエレベータ移動を行う様子。
ゾーンDのエレベータで、LCI Box(Octa Robotics、東京都文京区)と連携し、ロボットがエレベータ移動を行う様子。
アプリに登録されている指定の時間・場所を選択して、商品を注文します。最大2店舗の商品の同時注文が可能です。また、同じ配達時刻に同一方面の別注文がある場合は同時配送します。
PAGE TOP