みらいとぶんかとくらし。異なる領域が重なり合い、イノベーションを生み出す「あわい – awai 2024 -」

#イベント#モビリティ#ロボティクス#ワークショップ

HANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)では、2024 年11⽉1⽇(⾦)ー3⽇(⽇)の3⽇間、グランドオープン1周年記念イベント「あわい – awai 2024 -」を開催しました。

「間(あわい)」は「合う」を語源とした、異なる領域が重なる部分を意味する⽇本の古語。「この街を訪れるすべての⼈に、イノベーションを。」をコンセプトに、さまざまな取り組みを進めるHICityならではの体験や出会いを提供したイベントの様子をご紹介します!

バラエティ豊かなコンテンツで、未知との出会いを

「あわい – awai 2024 -」は、先端テクノロジーを体験する「みらいにであう」、HICityのある大田区羽田の個性に着目し、このまちならではの文化体験を提供する「ぶんかにであう」、マルシェや街歩きイベントを通じて日々の暮らしを再発見する「くらしにであう」の3つのカテゴリーごとにさまざまなコンテンツを用意。連日、多くの人で賑わいました。

HICityは「先端」と「⽂化」の垣根を越えた交流拠点。イベントでもこの街のコンセプトが徹底されていました。フラリと訪れた人が気軽に楽しめるマルシェはもちろんのこと、感性や好奇心を刺激する実験的なインスタレーションやワークショップ、ライブなどが、広い敷地をめいいっぱい使って展開し、あるコンテンツを目的に来た人が、たまたま触れたほかのコンテンツを通じて、これまで知らなかった未知の領域に自然と出会っていく。アート、テクノロジー、ビジネス、暮らしにエンターテイメントまで、すべてが一体になって提供されている、ここまで大規模なイベントは、とても珍しいのではないかと思いました。

HICityの玄関口「CITY GATE」で開催されたのは「ロクイチ61 親子バイク教室」。子どもでも気軽に電動バイクの乗車体験ができる。
歌舞伎役者の中村橋吾さんによる創作歌舞伎。地元・大田区で活動する「ゆきがや太鼓」ともコラボレーション!
四足歩行ロボット「Spot(スポット)」はいつも子どもたちに大人気! 歩くだけでなく、華麗なステップやジャンプも披露してくれた。
東京都立産業技術研究センターによるロボット展示。スタッフが一つ一つのロボットの説明をしてくれるのが楽しい。写真は、見守り服薬支援ロボット「FUKU助
よい仕事おこしプラザで開催された「恐竜まつり2024 in Tokyo」。ティラノサウルスの実寸相当の頭骨(レプリカ)を間近で見ることができた。近くで見るとすごい迫力!
「SUGI+」では、3Dフードプリンター体験イベントを開催。スギ薬局オリジナルキャラクターが、チョコクリームでせんべいに描かれていく。
事前申込で当選した人に、プロの絵師が似顔絵を描いてくれるコーナーも。
空港を主要テーマに、研究開発と実証実験を行なうための拠点「tarminal.0 HANEDA」には、子ども向けのゲームコーナーが用意されていた。
人流制御手法の研究を行なっている「慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科」による実験。設置しているオブジェの回転の速さや向きなどによって人の動きを制御する。
洋服を手のひらサイズにプレスする、株式会社SJOYによる洋服専用自動圧縮機。かさばる旅行の荷物をコンパクトにして気軽に旅をする時代がすぐそこまで来ていることを実感した。

異なる領域がグラデーションでつながる

「あわい – awai 2024 -」では、子どもたちが楽しめる気軽なワークショップから、アーティストやクリエイターによる実験的なインスタレーション、先端技術を知って学べるカンファレンスといったビジネス領域のコンテンツまで、多彩な催しが満載。異なる領域がグラデーションでつながり、自分自身の興味関心に合わせて自由に行き来しながら楽しむことができるイベント。

そのためか、会場には、家族連れから若者グループ、ビジネスマンにアーティスト、興味のあるコンテンツのためにひとりで遊びに来ている人まで、多種多様な人が集っていて、多様性のある場が自然と生まれていました。

多くの人が目がけてやってきていたのが「宇宙兄弟 × HANEDA INNOVATION CITY」。複製原画や大型パネルが展示された特別展は宇宙兄弟ファンにはたまらない内容。
宇宙兄弟の限定グッズの販売のほか、3日にはトークイベントも開催。宇宙兄弟の原作者・小山宙哉さんのインタビューの収録音声を聞くという変わった試みで、会場は超満員となった。
PiOPARKでは1日目にビジネス向けの「PiO PARK Business DAY」、2〜3日目に一般来場者向けのイベント「PiO PARK X 2024」を開催。「PiO PARK X 2024」では、入居企業が「未来」をテーマに事業紹介や、子どもも楽しめるワークショップなどを実施。
キッズプログラミング教室さくらぼ」によるワークショップ「未来のあそび場 〜コンピューターとあそぼう!〜」。ちょっとしたデジタル技術で3Dアバターをつくったり、レトロゲームをプログラミングして楽しめる。
Lean Mobilityが開発した都市型小型EVのRideRoid「Lean3(リーンスリー)」を展示。乗用車の約1/3 の大きさでありながら2人乗りが可能で、期間内に走行体験も実施した。
ミライの空港展示をテーマにした「HANEDA EXPO 2024」では、空港・航空業界や施設運営を支える先端技術に焦点を当てた29社による展示と、29名が登壇するカンファレンスを実施。
株式会社ダイフクは、手荷物形状AI検知システム「Bag-UX」、手荷物タグ発行機「Drop-UX T」の実機を展示。
日本電気株式会社(NEC)は、XR技術を活用したVR/MR指令室・多言語に対応した音声AIアシスタントのデモンストレーションを実施。

賑わいの中心地は「ライフスタイルマルシェ」

屋外のイノベーションコリドーでは、大田区、世田谷区、川崎市などの周辺地域と、全国各地から産直品や地域の名産品、工芸品を販売するブースが出店する「ライフスタイルマルシェ」や、「ご当地ほりにし甲子園」の開催に合わせた物販コーナーや出場自治体のPRブースがズラリ。どのブースも個性豊かで、スタッフさんと話をしながら、商品へのこだわりや思い、地域の特徴などを伺っているだけで、あっという間に時間が過ぎていきました。

京都西陣で伝統産業の産廃素材を利活用しているハンドメイドブランド 「sampai」のアクセサリーやグッズ。産廃を減らすと同時に伝統工芸への認知向上にも貢献している。
自分で調合したお香を詰めてつくる「西陣織香袋ワークショップ」も開催。
日本に数名しかいない引箔工芸士・山岸茂美さんの技術を駆使し、アート、インテリア、ファッションなど幅広いジャンルで表現しているブランド「HABU」。商品の展示販売のほか、金箔貼り体験のコーナーも用意されていた。
種と糖だけでつくるお菓子「shuka/種菓
フードも充実。HICityの近く、穴守稲荷駅にお店を構える「クレープ喫茶レピドプテラ」のクレープは大人気! はちみつとバターを使用したこだわりの生地は厚みがあり、サクサク感もモチモチ感も楽しめる。
HICityに入居するブリューパブ「HANEDA SKY BREWING」が、イベントのためにモツ煮や玉こんにゃく串、冷やしきゅうりなどを販売。この日は日本酒もたくさん取り揃えてくれていた。
雑色駅にある「カレー乃助」は、お肉たっぷりのカレーライスのほか、黒毛和牛しぐれ煮丼も用意。

HICityを飛び出してまちを散策

HICityと地域の「あわい」をつなぐように、3日間とも、羽田周辺の散策を楽しむ企画が用意されていました。1日目は「日本橋〜羽田のスペシャルクルージング」、2日目は「羽田猟師町周辺のまち歩き」、3日目は「平和島・羽田周辺のまち歩き」です。2、3日目は「ブラタモリ」にも出演した東京スリバチ学会会長・皆川典久さんの案内だったこともあり、どの企画も予約開始後、すぐに満員となりました。

このほかファッションショーや足湯DJ NIGHTなど、アートな試みも随所で展開。朝から晩まで、どこかでなにかしらのイベントが開催されており、1日中楽しむことができました。

日本橋船着場に集合し、建物や町の解説を聞きながら浜離宮の船着き場を経由して、HICity目の前にある羽田空港天空橋船着場まで船で向かうスペシャルクルージング。なかなかない貴重な体験。
雨模様だった2日目のまち歩きも敢行! 穴守稲荷神社も参拝した。
天候不良のため、急きょ3日目の夕方に延期になった城西国際大学大絵ゼミの学生によるファッションショー「REFRAIN(ルフラン)」は、廃棄衣料をリメイクしてつくった衣装とオリジナル3D映像・音楽を使用した本格的なショー。マジックアワーの幻想的な雰囲気もあいまって大勢の観客が集まった。
HICityにランウェイが誕生!
個性豊かな洋服の数々。モデルは学生自身が務めた。
2日目は雨のため中止になってしまったものの、1日目と3日目はHICityのイベントではお馴染みの「足湯DJ NIGHT」を開催! 周辺に住宅がないHICityだからこそ、大音量のDJイベントもOK。足湯を楽しむ人たちと踊る人たちで最後まで盛り上がりを見せた。
足湯DJ NIGHTの1日目「SPREAD MY WING」のテーマは、なんと「地域活性」。羽田空港がある大田区に縁のあるDJやミュージシャンをゲストに迎え、音楽を通じて地元を盛り上げた。観客とのコール&レスポンスが起こる場面も。
「あわい – awai 2024 -」のラストを飾ったのは「星空ツナガルコミュニティ -琴ライブ- 」。星空を眺めながら、琴奏者・久(Hisashi)氏による心地よい演奏を堪能する。最後は望遠鏡を用いた星空観察会も開催。飛行機のライトが星空に混ざって見えるのがまた楽しい。

グランドオープンから1周年を迎えたHICity。みらいとぶんか、くらしが出会う「あわい」の場としてのポテンシャルの高さと縦横無尽に広がる自由なイベントのあり方が、これから先、ここで起こっていくであろうさまざまな化学反応を予感させた3日間でした。
「あわい – awai 2024 -」第2弾の記事では、11/2〜3にかけて開催された「ご当地ほりにし甲子園」の模様をレポートします!

INFORMATION

【あわい - awai 2024 -】
開催日:2024年11月1日(金)ー3日(日)
開催場所:HANEDA INNOVATION CITY
主催:羽田みらい開発株式会社
企画:鹿島建設株式会社
後援:大田区

あわい - awai 2024 –
https://hic-awai.com

text : Yuki Hirakawa photo : Takahisa Yamashita , Naoto Nobuyoshi, Nozomu Ishikawa

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