「Tokyo Creative Salon 2025」地域とつながるファッション・体験型イベント「COLORFUL SKY」1日だけのマルシェ、ステージイベント

#イベント#ワークショップ

桜の開花が近づく3月に毎年開催されているTokyo Creative Salon(以下、TCS)は、「日本の創造力を、より良い世界のために」をコンセプトに、東京を舞台として行われるクリエイティブの祭典です。

6年目となるTCSは、3月13日から3月23日の期間中、テーマを「QUEST|さがそう〜創造性・美意識の探求〜」とし、丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、渋谷、原宿、羽田、六本木、新宿の東京10エリアで開催しました。羽田エリアでは3回目の開催で今年、初開催となるHANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)で行われたサテライトイベント「COLORFUL SKY」の1日だけのマルシェ、ステージイベントを中心にレポートします。

常設展示のレポートはこちらの記事をご覧ください。

羽田だからこそのキーワード「空」がつなぐ多彩な世界

羽田エリアのTCS参加は今年で3回目。これまで世界各国とつながる「空」を今年のキーワードとして、ファッションだけでなくデザインやサスティナビリティにも焦点をあて、多彩なコンテンツを展示してきましたが、今年は羽田空港内だけでなくHANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)にも開催エリアを広げ、地域とつながるファッション・体験型イベントの「COLORFUL SKY」を開催しました。

TCS2025のテーマである「QUEST|さがそう〜創造性・美意識の探求〜」に合わせて、東京を行き交う「誰か」のとっておきのクリエイティブなおすすめスポット情報が手に入るガチャ「Tokyo QUEST Gacha – AREA Edition -」が設置。
カプセルには、おすすめスポットが書かれたカードが入っており、その場所を推す理由や魅力が手書きで書かれている。アナログでリアルなメッセージをみたらぜひ伺いたくなるはず!

マルシェのテーマは「アップサイクル、リサイクル」

リメイクにフォーカスしたマルシェ×フリーマーケットが開催されました。羽田空港のある東京都大田区エリアのお店を中心に、飲食店や古着店、アップサイクルアクセサリーショップなどさまざまなショップが並び、また、「十人十色の空」をテーマに羽田小学校の子どもたちが描いた絵をプリントしたTシャツで、会場となったHICityのイノベーションコリドーを彩りました。

子ども服を専門に扱う古着店や、リメイク古着のお店も出店。

アクリルなどの廃材をアップサイクルしてアクセサリーを

コロナ禍、オフィスなどさまざまな場所で使われたアクリルパーテーションの廃材。他にも、海洋プラスチックや化粧品のパッケージの廃材から百貨店の装飾品、繊維からコーヒーまで、たくさんの廃材をアップサイクルし、アクセサリーとして製造、販売するSHITSURAE(シツラエ)

「アクリルがとても好きで、加工も含めすべて自社で行っています。アクリルをメインとして、鏡や木、紙や繊維、化粧品からコーヒー豆、海洋プラスチックなどいろいろな廃材をアップサイクルしてアクセサリーとして新たな命を吹き込み、店舗やポップアップストア出店、オンラインストアにて販売を行っています。アクリルは発色が良いので色の組み合わせには気を配っていますが、着色は一切せず、クリアなアクリルと他の素材を組み合わせることでデザイン性を高め、カラフルなものやシックなものなどさまざまなパターンを作っています。」(代表:井村文紀さん)

透明なアクリルの中に糸や金属、コーヒー粉やマニキュアなど、いろいろな別素材を組み合わせて熱を加えて混ぜ、レーザーカッターでカット。好きな形の商品を選んで、ピアスやイヤリング、リングなどのアクセサリーに加工してもらうことができます。

アクリルの端材そのものも展示。端材でも透明感とカラフルさでとてもきれい。
HICityのマルシェ出店は初の試みというSHITSURAE(シツラエ)を展開するSHITSURAE代表の井村文紀さん。

修理して販売することで、失われつつあるカルチャーを伝える

カラフルで華やかな色で人の目を魅きつけるのは、80-90年代のヴィンテージラジカセやポータブルカセットテーププレーヤーたち。stability_turnの店主、stability(スタビリティ)さんが各国から集めた商品を修理、調整したもの、さらにカスタムを加えたオリジナル商品がズラリ。

「修理して動くようにして販売していますが、もともとあったものを”元に戻した”だけなんですよね。そこに自分なりのカスタムを加えたものを混ぜることで、自分の世界観やオリジナリティをプラスし、ひとつのカルチャーとして推していきたいと思って続けています。」とstabilityさん。「コミカルデバイス」という独自のカルチャーを広めるべく販売、発信しているとのこと。

80-90年代前半の独創的で鮮やかな色のラジカセやポータブルカセットプレーヤーたち。当時を知っている人には懐かしく、若い人たちには新しいものとして、幅広い層に刺さる商品だ。
stabilityさんが持っているのは、水中で使用するビデオカメラのハウジングをカスタムし、Bluetoothスピーカーにしたもの。鮮やかなイエローで目を魅くだけでなく、実際にスピーカーとして使うことができるインパクトある商品。

ネオクラシックな雑誌を、気に入ってくれる人へ届けるために移動販売を

ご自身を「移動式古本屋」と呼ぶtunelessmelody_bookstoreさんは、好きが高じて収集し続けた80-90年代の雑誌を大量出品! サブカルチャー系の個性的な版型、デザインの雑誌たちが並んでいました。

「雑誌が大好きすぎて買っているうちにありえないほど集まってしまいました。あるとき少し整理しようと思ったときに、欲しいと言ってくださる方が意外なほどいることに気づき、それからはこうして雑誌を持って移動してきて古本たちを販売しています。」(店主・tunelessmelody_bookstoreさん)

stabilityさんとtunelessmelody_bookstoreさんに、VHSのビデオテープを販売するlipit videoさんを加えた3店が、2025年4月11日(金)〜6月15日(日)に新宿マルイ メンにてポップアップストアをオープン! こちらもぜひ足を運んでみてください!

【REBOOT BRAINS「ラジカセとVHSと雑誌と90年代」】
会期:2025年4月11日(金)〜6月15日(日)
会場:新宿マルイ メン1F(東京都新宿区)
営業時間:11:00-20:00

美味しそうなフルーツがマルシェにも並ぶ

フルーツ専門のケータリングサービスを行う東果堂は、企業のイベントやパーティ、撮影現場や舞台楽屋などへのフルーツのケータリングをはじめ、フルーツのオンライン販売やフルーツを使った空間ディスプレイのプロデュースを行うお店です。マルシェでは代表の岩槻正康さん(中央)とスタッフの方々が色鮮やかでみずみずしいフルーツの販売を行っていました。

色濃いオレンジが映える「せとか」。せとかは清見にアンコールを掛け合わせたもので、掛け合わせとしてのベースはオレンジのため、きめ細かな柔らかい果肉が特徴。
ドライフルーツや、規格外のフルーツを使った加工品(右側はマンゴーホットソース)などの製造販売も行っていた。

HICityを象徴するテクノロジーを体感できるコンテンツも

ロボットのオープンイノベーションを目指した「Future Lab HANEDA」は川崎重工が開設したロボティクスの実証実験場です。ここでは普段、注文した料理をロボットが調理から配膳まで行うレストラン「AI_SCAPE」が営業しています。

COLORFUL SKYの期間中は、AI_SCAPE内で「見て描く! カワサキロボット&缶バッチ」を開催。配膳ロボットのニョッキー(Nyokkey)が缶バッジの材料を運んでくれる。
コンテンツのタイトル通り、ニョッキーを見て描ける白紙の缶バッジベースと、塗り絵のように色を塗って完成させるものの2種類のバッジを作ることができる。
バッジのベースの色付けが終わったら、缶バッジマシンにセットし、フィルムを乗せてプレスを。
さらに反対側にセットしたピンの付いたベースと合体させて完成!

ダンスパフォーマンスやマーチングバンドの演奏で拍手喝采のステージイベント

ステージイベントも開催し、地域の子どもたちのダンスや、専門学校生、先生のダンスパフォーマンス、マーチングバンドの演奏など盛りだくさんで、たくさんの人たちが足を止め、拍手を送っていました。

羽田小学校の子どもたちが披露してくれたのは「大江戸ダンス」。元気あふれるパフォーマンスでたくさんの人たちの目を惹きつける! 「最初はできなかったことができるようになって、いままででいちばん楽しく踊れた!」「間違えてしまったけど、すごく楽しかった!」と笑顔で感想を!
小学生のみんなは「十人十色の空」のTシャツを着てパフォーマンス。このTシャツは株式会社リコーのダイレクト・トゥ・フィルム(DTF)というインクジェットプリントしたフィルムを、デザイン部分のみ熱で圧着させる方法で絵柄をプリントしたもの。
日本工学院専門学校・蒲田キャンパスのダンスパフォーマンス科の学生さんたちによるダンスパフォーマンスも行われた。講師にSAM氏をはじめ、日本屈指のダンサーを擁する日本工学院ダンスパフォーマンス科はヒップホップからクラシックバレエ、コンテンポラリーダンスなど幅広いジャンルのダンスを学ぶことができる。学生のパフォーマンスのレベルも高く、通りかかった人たちが足を止めそのパフォーマンスに見入っていた。
同専門学校のボーイズユニットによるダンス。長い手足を生かし、息の合ったパフォーマンスに大きな拍手が!
同専門学校でダンスの講師をしている先生によるダンスパフォーマンスも! 学生が盛り上がるのはもちろん、講師の底力を見せるプロのパフォーマンスは圧巻。
ダンサーとしてだけでなくミュージシャンとしても活躍するスーパー島田ブラザーズのパフォーマンスはファンの方々も集まり、熱いステージを見ることができた。
スーパー島田ブラザーズと&SUNDAYのスペシャルダンスユニットによるスペシャルショーケース。衣装はデザイナーの山本寛斎氏がパラリンピックのためにデザインした特別なもの。
スーパー島田ブラザーズは10代のころにPopteenのモデルとして活動をしていた弟シュートと、レゲエダンスで世界2位に輝いた経歴を持つ兄ゲンキとで結成された正真正銘の兄弟UNIT。
東京実業高等学校のマーチングバンドによる演奏では8管以上の金管楽器が参加し、『残酷な天使のテーゼ』など3曲を披露。爆音で人々の足を止めていました。
ステージイベントの盛り上げに大きく貢献したDJは、偶然にもダンスパフォーマンスを行った日本工学院の卒業生とのこと。

エクストリーム系スポーツ「BMX」がHICityに初登場!

ステージコンテンツの特設ステージでは、#空飛ぶチャリ AIR TRICK SHOW®によるBMXのパフォーマンスが行われました。AIR TRICK SHOW®は、東京2020オリンピックで正式な追加種目となったBMXフリースタイル・パークをモチーフとしたアーバンスポーツの出張パフォーマンス集団です。

全日本選手権優勝ライダーを含む、国内屈指のライダーたちが空中を舞い、迫力のあるトリックを決めるシーンに会場の人々の大きな歓声と拍手が沸き起こり、全3回のパフォーマンスにたくさんの人たちが集まりました。

#空飛ぶチャリ AIR TRICK SHOW®は、2014年から活動を開始し、国内ではNo.1となる100回以上のショーの出張実績を誇ります。驚くほどの高さでテイルウィップ、バックフリップといった回転系トリックも難なくメイクするライダーのパフォーマンスは圧巻! あまりの高さで、HICityが低く感じる!?

助走をつけ、ジャンプ台でそれぞれの技を決めるライダー。晴天の青空にライダーが舞うシーンに誰もが熱狂!
パフォーマンスが終わり、助走のスタート位置に戻るライダーたちは、コースサイドで応援する人たちとハイタッチ! エクストリームスポーツは、ライダーとファンの距離が近いことも魅力のひとつ。
登場したライダーは永井秀夫(MTBフリースタイルの日本第一人者。AIR TRICK SHOWリーダー)、大西勘弥(2016年全日本選手権優勝)、西 昂世(2018年全日本選手権優勝)、石井駿哉(UCI BMXフリースタイル ワールドカップの派遣選手)の4名。

夕暮れの美しい空を眺めた後は夜のパフォーマンスへ

日没後も美しいライティングで夜のステージイベントが開催されました。

ライトアップされたステージでさらに熱を帯びたパフォーマンスを披露してくれた日本工学院蒲田キャンパスの学生さんによるダンスユニット。
スーパー島田ブラザーズと共に熱いダンスで会場を沸かせた&SUNDAY。山本寛斎氏によるパラリンピックのオレンジ色の衣装が照明に映える。
照明で輝く金管楽器と、静寂を切り裂く音圧のあるマーチングバンドの演奏は、始まるとともにその音に誘われ、たくさんの人が集まった。
夜の照明に浮かび上がるBMXライダーのパフォーマンス。
強い光に照らされ、風が強いなか4m以上もの高さで難易度の高い技を決めるライダーに拍手喝采!
AIR TRICK SHOWの名物MCはウィリー・マーキュリー。朝から日が暮れるまでタンクトップで会場を盛り上げてくれました。
BMX SHOWは通常、日中に開催されることが多く、こうした美しい照明に照らされてのパフォーマンスは貴重。当日観覧できた方々はとてもラッキー!

世界とつながる「空」をキーワードとし、多彩なコンテンツを展開し、ファッションやデザイン、サステナビリティに焦点をあてた多くの展示に加え、ワークショップや交流型サロンなど、たくさんの体験型企画が行われた「COLORFUL SKY」

3/22(土)限定で開催されたスペシャルなステージイベントだけでなく、TCS期間中では、常設展示されていたコンテンツもとても魅力的なものがあります。さらに「イノベーションコリドー」を彩るタペストリーのようなTシャツの数々は、羽田空港のある東京都大田区にゆかりのある人たちや企業が関わって制作されたもの。次回のレポートで詳しくご紹介します!

INFORMATION

【COLORFUL SKY/Tokyo Creative Salon 2025】

開催日:2025年3月13日(木)ー3月23日(日)
開催場所:HANEDA INNOVATION CITY、羽田空港第1ターミナル2階・中央マーケットプレイス
※Tokyo Creative Salon 2025は東京全域(丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、六本木、原宿、新宿、羽田)で開催。
主催:東京クリエイティブサロン羽田エリア実行委員会
企画:日本空港ビルデング株式会社
協賛:株式会社読売新聞東京本社、株式会社きらぼし銀行、株式会社リコー、株式会社伊藤園
協力:川崎重工株式会社、鹿島建設株式会社、羽田みらい開発株式会社

Tokyo Creative Salon 2025
https://tokyo-creativesalon.com

text : Rika Kasai photo : Nozomu Ishikawa

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