親子で体験するワークショップ大盛況! 「初夏ふぇす」イベントレポート

#イベント#ワークショップ

風薫る5月、HANEDA INNOVATION CITY(以下、HICity)で開催し盛況となった「初夏ふぇす」。前回の記事では5/25(土)、26(日)に行ったイベントを中心にレポートしました。今回は、家族連れに好評だった4つのワークショップを紹介します。

前回の記事はこちからご覧ください。

干潟で暮らす生き物を観察する「羽田の干潟体験」

羽田に干潟があることをご存知ですか? 海に近い多摩川下流域には潮の満ち引きにより大きな干潟ができ、多様な生き物が生息しています。羽田イノベーションシティでは、地元団体の協力のもと定期的に「羽田の干潟体験」イベントを開催しています。「初夏ふぇす」に合わせ定員30名で参加者を募集したところ、あっという間に満席となりました。

この日はまずHICity Square Café/Barで干潟に住む生き物の特徴や観察のポイント、環境保全の重要性について15分ほどレクチャーを受け、10分ほど歩いて干潟へ向かいました。

教わったとおり、そっと岩を持ち上げたり、小さな穴を覗き込んだり、シャベルで土をすくったりする子どもたち。カニ、エビ、シャコ、貝、ハゼなどすぐにたくさんの生き物が見つかり、あちこちで歓声が沸き起こりました。

講師を務めるのは大田区在住の環境カウンセラー・小野紀之先生。大人も子どもも真剣な表情で小野先生の話に聞き入っていた。
「五感を駆使して生き物と向き合い、『なぜこんな姿形をしているんだろう、こんな動きをするんだろう?』と想像力を働かせてほしい」と小野先生。
「ここ見て、ぶくぶくしてる。カニの巣穴かも!」 初対面の参加者同士が一緒に地面を掘り、後半には誰と誰が家族かわからない状態に。
「磯遊びはよく行っているけど、こんな近くに干潟があるなんて知らなかった。毎週行こうとせがまれそう(笑)」と話す保護者も。
小野先生に捕まえた生き物を見せて、名前や生態を教えてもらいながら、水際にいるカニと岸にいるカニの違いや、ゴカイなどの小さな生き物が干潟を綺麗にしていることなど、子どもたちは体験を通して生き物や環境のことを学んでいく。

「いろんなカニを見つけたよ!」「このエビ何だと思う?」「ほらここ、小さい魚がいるよ」と、お互いが見つけたものを見せ合う子どもたち。

干潟の生き物を飼うには海水が必要なので、観察した後は海に戻すルール。名残惜しいけど、さようなら!
生き物たちが暮らしやすい環境をつくるためのゴミ拾い。子どもたちは率先してゴミを探して歩き、終了時間には「もっと拾いたい!」と話していた。

紙と糊だけで、中の卵を守り着地できるか? 「親子で挑戦! 宇宙からの帰還プロテクターを作ろう!」

子どもたちに楽しく最先端技術や問題解決の手法を教える「羽田イノベーションキッズラボ(ハネラボ)」では、「親子で挑戦! 宇宙からの帰還プロテクターを作ろう!」というワークショップを開催しました。講師は小中学生向け起業家教育プログラムを提供する「ミライクルラボ」代表の渡邊涼太氏です。

渡邊先生はまず、起業家の発想や考え方、いま注目されている宇宙ビジネスの課題について子どもたちに伝えました。有人ロケットを地球に帰還させるには、146億円もの費用がかかると言われていています。ここには大きなビジネスのニーズがあるはず。そこで、安全に着陸する帰還プロテクターをみんなで考え作ってみよう! というのがこのワークショップの骨子です。

使用するのはA4用紙1枚と糊、ハサミ。紙で帰還プロテクターを作り、中に宇宙飛行士代わりの卵を入れて高いところから落とし、割れていなければ成功です。「どうすれば割れないだろう?」と考え、制作に取り掛かる子どもたち。パラシュート型や飛行機型、円錐型などさまざまなプロテクターが完成しました。

さっそく外に出て実験したところ、ほとんどまっすぐ落ちるものもあれば、ゆるやかに落下しふわりと着地するものもあり、その度に落胆や期待の声が挙がります。子どもたちは「自分で考えて手を動かし、結果を確かめる」楽しさを堪能した様子でした。

落下の速度を落とすか、着地の際の衝撃を和らげるか、親子で相談しながら互いにプロテクターを制作する。このワークショップは「エッグドロップチャレンジ」として、JAXAをはじめさまざまなところで行われている。
2階から順番に1つずつ落としていく。固唾を飲んで落下の様子を見守る参加者のみなさん。
今回は15個中6個が成功。内訳は「パラシュート型」2個、「飛行機型」1個、「円錐型」1個、「ポケット型」1個、「くしゃくしゃ型」1個。

本物の産業用ロボットを操作できる「カワサキロボットエンジニアになろう!」

川崎重工ロボットディビジョンが運営するロボットの実証実験施設「Future Labo HANEDA」で開催したのは、「カワサキロボットエンジニアになろう!」というワークショップです。

プログラミング編と操作編があり、この日行ったのは操作編。実際に工場で使われている産業用ロボットが動く仕組みを学び、ティーチペンダントと呼ばれるリモコンを使い、ロボットアームの6つある関節を上下・前後・左右に操作して狙った動きをさせるという内容でした。「あれ、どっちに動かせばいいんだっけ?」「通り過ぎちゃったから1回戻さないと」と戸惑いながらも、真剣な表情で課題に向き合う子どもたち。ここから未来のロボットエンジニアが生まれるかもしれません。

参加していたのは小学校高学年の子ども4人。普段からロボットやプログラミングに関心がある様子。
アームを操作して迷子の動物を家族のもとへ届けるワーク。全員ティーチペンダントを使いこなし、ミッションを成功させていた。

窓にも描ける不思議なチョーク「キットパス」を使った「みんなで塗り絵!」

日本理化学工業が開発した「キットパス」は、ガラスやお風呂の壁などつるつるした面に絵を描き、水で消すことができる新感覚チョークです。ブックショップ・ダイニング・ラウンジが一体となった複合型コミュニティラウンジ「Creadisce(クレアディスケ)」では、キットパスを使った塗り絵体験を実施しました。

アクリルシートに塗り絵をしたり、水筆ペンを使って水彩画を描いたり、クレヨンのように色を重ねたり。キットパスはさまざまな表現ができるので、参加した子どもたちは次々試してお絵描きに没頭。親御さんも「連れてきてよかった」と目を細めながら話していました。

羽田イノベーションシティらしく、飛行機のイラストが描かれた塗り絵シートを用意。鮮やかな飛行機が何枚も誕生した。

肌にも環境にもやさしいライスワックスが主成分のキットパス。柔らかいので手の力が弱い小さな子どもや高齢者でもするする描ける!

5/4(土)に足湯スカイデッキにて開催された「羽田エアポート写生会 〜遠くにあるものを描こう〜」の参加者たちが、飛行機や羽田空港を描いたかわいらしい作品たちが、初夏ふぇすの期間中、SUGI+にて展示されていた。

入居企業や外部の団体からさまざまな企画が上がり、文化祭のような盛り上がりを見せた「初夏ふぇす」。羽田イノベーションシティでは今後もアイデアを持った人を後押しして、一緒にこの場を盛り上げていきたいと考えています。「こんなイベントがあったらいいな」「コラボレーションしませんか?」などなど、お気軽にご連絡いただけると幸いです!

INFORMATION

【初夏ふぇす @HANEDA INNOVATION CITY】

2024年5月1日(水)ー6月1日(土)
開催場所:HANEDA INNOVATION CITY( HICity Square Café/BarPiOPARKAI_SCAPECreadisceSUGI+)、多摩川河川敷
主催:羽田みらい開発株式会社
協賛:城南信用金庫
後援:大田区

text : Emiko Hida photo : Nozomu Ishikawa

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